
瀋陽駅だ。
戦前に日本が東京駅を模して造ったというが、なんか新しい。建て直したのかも知れない。
瀋陽は、大連から列車で4時間もかからない。バスでも、5時間かからないくらいらしい。
交通費も100元もかからないので、週末に行って帰ることもできる。
大連と異なり、見渡す限り平地で、自転車の量も多い。
さらに、後金の首都だったこともあり、見る価値のある遺跡も多い。
2004年、瀋陽故宮や皇帝陵墓などが世界遺産として登録され、これからさらに注目されるべき都市だ。

瀋陽故宮。入場料50元。
北京の故宮と比べてかなり小さい。10分の1もないらしい。
故宮の内部は、歴代皇帝が建て増しを重ね、結構ぎっちりしてる。
入関以降北京に首都が移ってからは、歴代皇帝が清朝始祖の墓参りに巡幸した際に逗留する場所として使ったようだ。
「この部屋は誰々が使った」なんていう看板が出てる同じような建物がいっぱいで、結構退屈するし、北京故宮のような壮大さはない。
皇帝が政務を執ったという「大政殿」は、天壇のような八角形の建物で面白い。
しかし、後金−清という王朝にそれなりに興味を持って行かないとつまらないかも知れない。
次は、昭陵(北陵公園)。入場料36元。

ここは、清の太宗ホンタイジの陵。
ここは故宮よりも面白いと思う。見所がはっきりしていて、全体の構造も整っている。
陵の周りは広い公園になっていて、公園を散策するのも面白い。

真ん中の建物は、「隆恩殿」。立派な上になかなか渋くてよい。
遼寧省博物館は、一見の価値がある博物館だ。20元。
ここに来れば、中国東北地方の歴史がある程度分かる。
原始時代から遼の時代まで詳しく説明していて、展示物も豊富だ。
「遼三彩」やそれ以前の遼の焼き物は、なかなか面白かった。

上の焼き物は「鶏冠壺」という。
あんまり鶏には見えないが、口の部分に鶏の頭をかたどった蓋が付いてるタイプもある。
もともとは動物の皮で作った飲み水なんかを入れるもので、馬の鞍にぶら下げて使いやすい形にしてあるようだ。
景徳鎮に代表されるような南方の陶器と違い、シンプルで日本人好みだ。
「鶏冠壺」だけでなく、ふつうの器もこんな感じで、なんかシンパシーを感じたわけだ。
こういう様式のものが、日本海を渡って日本に伝わったのかも知れない、という感じで興味をそそられた。
瀋陽で泊まったのは、弗菜芒戈賓館という、スペイン独資のホテルだ。
値段は150元(朝食付き)だが、かなり広くて清潔な部屋だった。
なんといっても、洗面所も広くてシャワーの湯量が豊富でちゃんとお湯が出るのが良かった。
瀋陽北駅の南側向かいにあり、交通の便もいい。

この建物の4階にある。看板が全く出てないので、知らない人間には絶対に分からない。
この建物の斜め向かいに郵政賓館があり、そこで泊まろうと思ったが高いのでやめて外に出たらおっさんに声をかけられ、ここに案内されたわけだ。
奥に見えるのが、瀋陽北駅。
郵政賓館と凱菜大酒店がある交差点の東南角に位置する。
おすすめかもしれない。