張家界は、湖南省北部にあり、世界自然遺産に登録されている有名な観光地だ。
上海浦西から張家界空港まで直行便が出ていて、それで行った。
出ている便は全部深夜に発着するので、初日は深夜二時に着き、ホテルに行って寝るだけだった。
一泊目は、「湘電国際酒店」に泊まった。

予約したときは、予約金も取らないしパスポート番号とかも要求しないので、当日ちゃんと来てくれるかどうかものすごく不安だったが、深夜2時にちゃんと空港まで迎えに来てくれ、おまけに車は50数万元もするというトヨタの高級ワゴンで、40キロくらいある道のりを無料で送ってくれた。
この宿は当地の「電業局」という役所がやっているらしく、迎えに来たのも電業局の運転手だった。
また規模がやたら大きく、建物は5棟あり、それぞれ渡り廊下でつながっていて、間には庭園がある。

KTVやマッサージなどはともかく、ボーリング場まであるという。
おまけに朝食はビュッフェ方式で、中華も洋食も用意されている。
これでツインの標準間で389元は相当安い、というか、政府系だからやっていけるんじゃないか。
翌日は、1日張家界観光をした。
一言で張家界と言っても中はかなり広く、風景区内を全部見たいのであれば3〜4日かかる。
今回は1日半しかなく、かなりかいつまんで回った。
1日目の午前中黄石寨へ行き、ロープウェーで降り、バスを乗り継いで水繞四門まで行き、百龍天梯に乗り、次にバスで袁家界へ行き、それから宿を取った。
2日目の午前中から昼にかけ、天子山風景区を見て、それから観光電車に乗り、それからバスで武陵源までいき、それから張家界市→鳳凰という形で移動した。

張家界森林公園風景区の入り口。
チケットは、245元で、2日間有効。風景区内の遊覧バスは乗り放題。
入口では指紋を登録し、次からは指紋認証で出入りする。

黄石寨の六奇閣付近からの写真。
8月初旬はこの辺の雨期にあたり、残念ながらこういう曇りの風景しか撮れなかった。
写真には一番手前の岩しか写らず、奥行きが伝わらないのが残念。
張家界はこのように岩が林のように立っている風景が特徴的。
次に、黄石寨から袁家界へ移動した。
黄石寨から袁家界へ移動するには、金鞭渓を歩くルートと、いったん外へ出てバスで水繞四門へ行くルートと、やはり外に出てバスで武陵源まで行きそこから遊覧バスで行くルートと3通りある。
金鞭渓を歩くルートは2時間歩かなければいけないし、武陵源までのバスは30分待つということだったので、水繞四門へ行くことになった。60元のところを40元まで下げさせ、タクシーで連れて行ってもらった。

これは、四十八将軍岩。
大きな岩がいくつもそそり立っている姿は壮観。

その向かいにあるのが、この百龍天梯。56元。
250メートル余りを一気に昇る。ガラス張りになっていて、上る間は向かいにある四十八将軍岩をずっと眺められる。
エレベーターガールがいるのは良いが、昇るだけで56元はちょっと高い。

これは、袁家界の「神亀問天」という風景。
左下の岩の上に乗ってる岩が亀みたいな形をしてる。

「天下第一橋」。岩と岩が天然の橋でつながっている。
これも写真で見ると伝わらないが、谷底はかなり深く、自然の力でこういうものができるのが信じがたい。
次は、遊覧バスで天子山風景区へ移動。
バスには白人の女の子が3人乗っていて、周りの中国人に話しかけられてた。
どこから来たの?と聞かれてるのに、「シェシェ」「ナーリナーリ」なんて言って笑われてた。
白人のいい加減な対応もあれだけど笑う中国人もどっちもどっちだ、なんて考えてたら、袁家界にあるユースホステルのところで、その娘らは急いで降りて行った。
しかし外見は農家のようにこじんまりとしていて周囲にも何もないユースホステルで、ユースホステルだったら何でもいいのかと言いたくなる感じだ。

天子山風景区の神堂湾という風景。
宿はこの近くの向天湾という地域の農家でとった。
この向天湾という場所は何軒かの農家が民宿を経営している。

夏休みということもあり、結構繁盛している。
農家の人も今の時期は家族のほかに外からバイトを雇って働かせているようだ。

泊まったのはこの部屋。80元だった。
この農家を案内してもらったおばちゃんによると、本当は120元だそうだが、おばちゃんはこの家の人と知り合いだから、おばちゃんにお金渡せば知り合いということで80元で大丈夫になる、ということなので、ものすごい怪しかったがおばちゃんに80元渡した。
部屋自体はまあ清潔だし、トイレもシャワーもあり、お湯もちゃんと出るのでまあまあ快適だった。

農家の女の子。右手に持ってるのは肉切り包丁。
何をしてるかと言うと、庖丁を研いでいる。盥に入っているのは、鳥の死骸。
自分で殺したのか、これをさらに自分でさばくつもりなのかは確認しなかった。
中国の農村はすごい。こんな年齢で包丁を砥石で研ごうとするのだ。危なくないのか。

夕食はバルコニーで優雅にとった。
と言ってもいつもと変わらぬ中華料理を食べ、ビールはビニールのコップに注いで、おまけに机はマージャン卓をひっくり返したやつだ。
まあ山中できれいな空気を吸い涼しい風に当たりながら、なかなか快適な食事だった。
次の日は、天子山風景区をひとめぐり。

これは、点将台と言う場所。
小さな岩が無数にそそり立っていて、兵隊を点呼する光景といわれればそう形容できるかも。
また写真だと伝わらないが、視界いっぱいにこういう岩が広がってる感じなのだ。

これは、雲青岩という風景。
蘇州の庭園にある太湖岩のようだ。自然の力はすごいな。

御筆峰。筆に見えるのか。よく分らないが何を言われてもそれに見えてくる。
水墨画とかでこういう絵がそのままありそうだ。

道はきれいに舗装されているが、やはり山道なので、体力を消耗するため、途中で買い食いをしながら体力を補給する。
ここでは、豆腐を食べた。まあ普通の豆腐でそれなりに美味しかった。
そのほか、葛を固めた食べ物や、スイカやキュウリが頻繁に売られてた。

天子山風景区の下山ルートは、遠くに見えていた岩々の下を下っていく。
遠くから見ると倒れないのが不思議だと思っていた岩も、近くで見るとびくともしそうにない。

遊覧電車乗り場。片道25元。
風景を見ながら武陵源行きのバス停まで行くことができる。

電車と言ってもこういう遊園地であるような微妙な電車で、さらに一列に無理やり3人乗せられる。
下りの電車だと右は風景が楽しめるが、真ん中と左の人はあまり楽しめないので、不公平かもしれない。
まあ大体こんな感じで張家界を回った。
残念ながら雨期だったので写真はいいものが撮れなかったが、風景は素晴らしかった。
黄山よりもいいんじゃないかという気もする。
風景も素晴らしいが、面積も広く、山の上だけではなく渓流沿いの散歩も楽しめ、さらに開発もあまりされていないところもあるし、民宿などもあり宿も安いし、風景区内には少数民族の衣裳を着た女の子なんかもいたりして、独特の雰囲気を楽しめる。
まだまだ見てないところもあるので、今度は4月か10月あたりの季節に行ってみたいものだ。