2011年11月23日

担保法第33条は強制規定か任意規定か

《中華人民共和国担保法》第35条で、抵当権設定者は、目的物の価値以上抵当に入れてはならない、と定められている。
つまり、300万元のマンションを300万元借金して購入し、そのマンションを抵当に入れた場合、そのマンションはその抵当が解消するまで追加設定できない、という決まりだ。
この規定のおかしなところは、マンションの所有権者が自由に抵当に入れられない、というところだ。そして、「目的物の価値」というのも時によって、人によっても変化する漠然としたもので、違法となる上限もあいまいである。
銀行等金融機関内部で規則を作ればいい問題であって、貸し側借り側両方に対し過保護なのではないか、というのが、大学の先生の意見。
そして、銀行が全部国有銀行で、公務員みたいなもんだから、同胞を守る意識でこの第35条の決まりができたのではないか、という冗談めかした分析を行っていた。
確かに、第二位の抵当権者であっても、自分以下の抵当権者やその他債権者に対抗できるわけだし、首位の抵当権者の債務が弁済完了されたら順位が繰り上がるわけだし、万が一首位の抵当権者が突然債権を放棄する可能性もないこともない。さらに、債務弁済履行過程で首位の抵当権者の債務がどんどん目減りして行く中、第二位の抵当権者は順次抵当権設定登記を更新したりしないといけないのか、という疑問もあり、不合理な規定に思える。
そもそも、こういうあまり意味のない過保護な規定で民法の大原則である「私的自治の原則」を制限するようなことは好ましくないのではないか。

一方、〈最高人民法院の《中華人民共和国担保法》適用の若干問題の解釈〉第51条で、抵当で担保した債券が目的物の価値を超えている場合、その超えた部分は優先弁済を受ける効力を有さない、と定められている。
これを見ると、担保法33条の規定は、目的物の価値を超過した抵当の設定を禁止しているわけではないのかな、とも思う。言わずもがなの規定なのだが、これをわざわざ明示することで、担保法33条が、公民の権利を制限する種類の規定ではないということを補足しているのかもしれない。
少なくとも、超額抵当設定行為自体が無効になる、ということではないようだ。
ラベル:担保法 法律
posted by からみもち at 06:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 学習メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする