2016年06月05日

地下鉄通勤時の光景

早いもので今年ももう6月だ。
こちらは5月中も雨が降ったり止んだりで、ここ数週は週末になると雨が降る感じの天気が続いた。
新居での暮らしもすっかり落ち着き、会社と家をただ行ったり来たりする毎日が続いている。

この間、会社からの帰り道で地下鉄に乗っていると、白人と中国人が口げんかをしていた。
自分は耳にイヤホンをつけて音楽を聴いていたし、離れている位置だったのでよくは分からなかったが、英語と中国語でやり合っていた。
白人が赤ん坊を抱えていて、赤ん坊の泣き声が聞こえていたので、その赤ん坊がらみっぽかった。
「ここは中国だ!」という叫び声なんかも聞こえてきたので、お決まりの文化の違いを盾にしたわがままの張り合いだろうと思って無関心を決め込んだ。
満員電車なので、こういう言い争いというのは、たまにある。
狭い空間にたくさんの人間が押し込まれ、不快感が募れば攻撃的にもなるので、けんかが起こりやすいのは日本と同じだ。

自分が利用しているのは地下鉄6号線だが、こちらでは、日本人がイメージするよりも上品な利用のされ方をしている。
乗り降りの時にもちゃんと列を作り、降りる人が降りてから乗る、というマナーがほぼ守られている。
降りる時に扉付近にいる人が一旦降りて待つ、ということころまでは、やらない人も多く、そこまでのマナーはまだ普及していないようだ。
列に横入りする人もまれにいて、列の先頭の横ぐらいに陣取って、列車が来て扉が開くと列に横から突っ込んでくる人間が、1人や2人はいる。
本当に頭にくるが、列の長さも一回の便では乗り切らないくらい長いので、その中の1〜2人と考えると驚異的なマナー遵守率だといえるかもしれない。
もちろん、これが出退勤時のラッシュアワーという特殊な時間帯で、さらに6号線という旅行者やお上りさんなんかが通常利用しないような路線なので、マナー遵守率が高い可能性も多い。
地下鉄2号線なんかだと、上海の2つの空港を結んでいて、高速鉄道の虹橋駅やその他利用人数が多い場所を多く通っているので、お上りさんの利用も多く、マナーも大分悪いという話も聞く。
実際たまに2号線に乗ると、土埃にまみれた汚い旅行鞄やら米俵みたいにでかいずだ袋みたいなものを何個も積んだ汚い格好をした一群を必ず見かける。
ラッシュ時でもその辺の一帯は人が少なく、出勤するために小綺麗にしていった服を不用意に汚されて気分が害されたくないので、そうなるのも当然なのだが、そういう人たちが田舎に帰ると、差別されたとか、上海人は外の人間を見下してるとか、そんな話になりがちで、上海とその他の地方の対立感情が膨らんでいくという悪循環になる。

日本の地下鉄とは違うなー、と思うこともいくつかある。
まず、駅ごとに扉が開く側とかホームの階段の位置とかが変わらない。
6号線なんかは、世紀大通駅という乗り換えの多い一番大きな駅までの9駅ぐらいずっと右側のドアが開き、階段は真ん中の一つだけという状況が続く。
それで、乗ってからあまり奥までつめないし、降りる時も降りる前からドア付近に移動するので、開く側が込む。
乗る時に、込んでるなーと思って乗って、奥まで入ると案外人が少なかったり、ということもままある。

それから、扉ごとに男性と女性が固まりがちである。
先頭に男性が並ぶとその後全部男性とか、その逆に全部女性とか、というふうになる傾向がある。
これはバスでも同じで、2人掛けの席で1つだけ開いているのが複数あると、同性が座っている席の隣を選びがちだ。
自分は男性だが、女性の方の列に並びたい。
スケベな気持ちがあるわけではなく、男はデカいし臭いし暑苦しいから女性の方がよい。
バスでも、女性の方が体が小さいから肩とか当たらなくていいのだが。
何でこういう傾向があるのかは未だに謎だ。

痴漢は、実際に見たことはないが、おそらく東京より少ないのではないか。
そもそもこっちの女性は化粧をあまりしないし、香水なんてつけてる人はほとんどいない。
格好も含めてそんなに女性っぽさをアピールしてないので、痴漢する気も起きないんじゃないか。
逆に、電車の中で化粧してる女性も見ない。今までで延べ1〜2回くらいではないか。

それから、通勤時の男性の服装は、ほぼ私服で、スーツっぽいものを着ている人でも、ネクタイを着けて出勤する人はまず見ない。
だから、ネクタイ締めてきちんとコートなんか着て通勤しようものなら、地下鉄の中で浮きまくる。
一目で外国人だって分かってしまう。
そもそも高い服を着て通勤してたら、歩道でも不意に水たまりなんかがあるので、すぐに汚れる。
だから一番いいやり方は、汚れてもいい私服で通勤し、会社に着いたらスーツに着替えることだ。
自分なんかはそのさらに上を行く、普段はずっと私服で仕事をし、客に会う時だけスーツに着替える、というスタイルを確立している。

あとは、ほとんどの乗客がスマホをいじくっている。
ゲームをやったりドラマを見たり文章を見たりチャットをやったりしている。
満員電車の中でも自分の携帯の画面を見るための空間を確保しようとして、不必要なまでに他人に背中を押しつけてくるので、非常に自分勝手に見えるしやられると腹立たしい。
それも不可能なぐらいに混み合ってきても、体をひねって変な体勢になってまでゲームを続けたりするのは何なんだ。
さらに電車の中だけならまだしも、電車を降りて階段を上ってながらでもずっと動画を見続けてる奴もけっこういて、そういう奴等は総じて歩くペースを遅くしている。本当に後ろから蹴りを入れてやろうかと思うくらいイライラする。
まあこの辺の光景は今の日本も変わらないのかもしれない。
比較的まれに日本のアニメやらテレビ番組やらを見ている人もいる。
印象に残っているのが、地味な感じの20歳前後の女の子が立って携帯で動画を見ていて、日本語が目に入ったから何だろうと思って見たら天丼屋さんの映像で、その天丼屋さんが機械化が進んでて機械で天ぷらを揚げてるらしく、揚がったエビの天ぷらがベルトコンベアで次々に流れてくる様がアップで延々と写されてる動画をその女の子はずっと見入っていて、ずっと微笑んでいた。
意味が分からないが、なんか和んだ印象がある。

あとは、以前2号線や3号線で見かけたような、電車の中で物乞いをしたり、地図を売ったり、子供におしっこをさせたり、というような光景は、今は見かけない。
昔のカオスぶりに比べたら今は大分ましになったと言える。
それでもこないだは戦慄的な出来事に出会った。
帰りの満員電車で立って上の手すりにつかまってイヤホンつけて音楽を聴いてたら、隣に立ってた男が鼻くそをほじりだして、とった鼻くそを上の手すりで拭いていた。
それを見た時から無警戒に手すりに触れなくなっている。
なぜなら、こちらの清掃員が上の手すりまでくまなく掃除をしているとは思えないし、自分の視界に入ったその行動は、自分の視界に入ってないところでも大量に行われているだろうからだ。
かと言ってつり革を掴んでいればいいかというと、つり革はより多くの人が掴むわけで、ということはより多くのイレギュラーな行動をする人が掴む機会も多いわけで、だからつり革なんかはもっと怖いのだ。
1度でも目にしてしまったから、自分の中でほとぼりが冷めるまでは気にしながら生きていくしかない。
posted by からみもち at 00:51| 上海 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | できごと・感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする